2024年4月28日
 今年最初の例会、地元の自治会のみなさんが参加
し、草刈りをしていただいた。タガメの里をつくる会会
員は、池の中のショウブを間引いた。間引いたショウブ
の一部は、ショウブ湯用に皆で持ち帰った。
 作業後の調査で、モリアオガエルの卵塊を1個見つけ
た。非常に早い。タガメも、もう6匹も出てきていた。
今年も繁殖は順調だろう。コオイムシのオスはほとんど
が卵塊を背負っていた。一番右下の写真は、ビニール
袋に入れたまま撮ったので見にくいがメミズムシだ。毎
年この時期に見るのでここで繁殖していると思うのだ
が、まだ幼虫を見ていない。幼虫は背中に土を背負うと
いう奇習があるので、ぜひみんなで観察したい。
2024年5月19日
  タガメが1匹しか見つからない。例年だったら卵塊も数個見つかる時期なのに、1個も見つからない。
26年目にしてての不安、このまま繁殖なしと言うことになるかも知れない。幸いこの谷のタガメが域外
保全として講義室で飼育され、毎年繁殖している。多めに繁殖させてもらい、ふ化した幼虫を放すことにした。
 
2024年6月11日
 今年はタガメの繁殖はないかも知れないと半分諦めていたが、伊勢小学校児童の観察会で児童が
タガメの卵塊を見つけた(写真)。1個だけでは羽化数は知れているので、幼虫を放すことっをやらなけ
ればならないが、できれば今月中にもう2,3個卵塊が産みつけられて欲しい。しかし、この日は1匹も
タガメの成虫の姿を見なかった。
 ビオトープのなかの島の草むらで、今年もカルガモが蕃殖していた。タマゴは鶏の卵と同じくらいの大
きさだ。子どもたちはタガメが獲れないので、魚とりに励んだようで、バッドの中でメダカとカワバタモロ
コが群れていた。

   
2024年6月22日
 6月11日に見つけた卵塊はすでにふ化していた。上池でコウホネの間引きをしていたら、新しい卵塊
が2個見つかった。内1個は背中にキンと書かれたオスが守っていた。これは昨年里親が育て下のジ
ャブジャブ池に放した個体で、タガメビオトープに飛んできたのだろう。2令幼虫があちこちで見つかっ
たので、ふ化殻がどこかにあるはずだと、探したところふ化殻も見つかった。これで合計4卵塊、例年
と比べると少ないがなんとかなるだろう。
2024年7月28日
 7月28日、モリアオガエルの繁殖期が終わったので、自治会のボランティアの方に、畦の草刈りをお願
いした。畦の草がなくなってすっきりした。池中のコウホネやミクリも減らし、池中も少しすっきり。
作業後の調査でタガメの新成虫が1匹見つかった。5令幼虫は33匹、4令は22匹見つかった。もちろん
これら以外にも茂みに隠れていた幼虫はたくさん居たはずなので、次の例会(8月11日)にはたくさんの
新成虫が見つかるだろう。   
2024年8月12日
 8月11日、名古屋から毎年この時期に参加する家族、神戸の有人の家族、伊瀬小児童の家族などが加わり、賑やかな観察会になった。最初に池の中の水草を間引いた後、調査を開始する。熱中症を警戒しながらの調査になった。新成虫が19匹見つかった。5令幼虫が57匹もいたので、25日のイベント(タガメの新成虫を探そう)では50匹を越える成虫が見つかるだろう。


2024年8月26日
 8月25日、抽選に当たった一般の人がタガメビオトープに入れる年に1回だけのイベント『タガメの新
成虫をさがそう』が開かれた。イベントの前、ビオトープの水面はトチカガミの白い花がたくさん咲いてい
たが、イベントのあとには踏み潰されてほとんど消えていた。トチカガミはここでは水面を被う雑草のよう
な扱いだが、兵庫県内には自生地がほとんど残っていない絶滅危惧種だ。しかし、この水草は農薬には
弱いが踏みつけには強い。1週間もすれば、元のようにたくさんの花をつけているだろう。
 イベント前に、タガメの里をつくる会の会員が、コウホネやミクリなどの間引き作業をしているときに、マ
ムシの死骸が見つかった。タガメに捕食されたものだ。タガメが濃密に暮らすビオトープ内には、ヘビ類
が安全に暮らしていける場所はない。
1時間ほどのタガメ探しで、65匹の新成虫と13匹の5令幼虫が見つかった。新成虫には背番号をつけ
た。今年になって背番号をつけた新成虫は69匹になった。今年も最終的には100匹くらいになるだろう。
2024年9月15日
9月15日、タガメの里をつくる会の例会、自治会の皆さんがボランティアで島や池の中の草を刈って下
さったので、ビオトープが一気にすっきりした。タガメの調査もしやすくなった。この日網に入ったタガメ
は、5令幼虫1匹を含めて40匹だった。無印の8匹に背番号をつけ、これで今年背番号をつけた新成
虫は77匹になった。里親が1令から育て、カタカナの名前を書いてここに放した新成虫が他に29匹い
るので、かろうじて100匹を越えた。
2024年10月6日
 ビオトープ内の水域を広げるために島を小さくする作業を行った。この島は自然に広がり、初期の数
倍の広さになってしまった。数人でやればうんざりするような作業dが、地元の自治会の方が手伝って
くれたのではかどった。
 ビオトープの近くで外来種のムネアカハラビロカマキリを3びきつかまえた。水の中に放り込んだとこ
ろ、その内の1匹からハリガネムシが出てきた。
  
 作業後のタガメ調査、今日は31匹が見つかった。この時期としては多いが、暑い日が続いているた
めかもしれない。バットの中で交尾しているタガメがいたが、これも暑さのためか。
 タガメの入っているバットにアカハライモリを入れておいたところ、タガメにつかまった。5分以上経過
してから引き剥がしたが、イモリはほとんど影響なくビオトープに帰って行った、イモリにはタガメの毒
への抵抗性があるのだろうか。
タガメの里をつくる会今年最後の例会、地元の自治会の方に手伝っていただいてタガメビオトープの泥揚げをした。ビオトープの浅くなったところの泥をすくい島の上にあげた。数年に1回はこの作業をしないとビオトープは徐々に埋まっていく。ビオトープ保全のためには重要な作業だ。例年文化の日を過ぎると、水中からタガメの姿が消えるのだが、10月が温かったので調査してみたところ、タガメが8匹も見つかった。こんなことは初めてだ、よほど10月があたたかったのだろう。8匹の内1匹(381番)は、昨年の8月にマーングした越冬個体だった。まだ元気で、もう一冬越すのだろうか。
2024年11月10日