2025年の記録
2025年4月29日
今年最初の例会は、シュレーゲルアオガエルの大合唱を聞きながら行った。まずはショウブの間引き、根元から刈り取り、姿の良い株のみ施設の入口に置き、ショウブ湯用に入場者に持って帰って貰う。もちろん私も持ち帰りその夜はショウブ湯にした。
ショウブの間引きのあとは、ビオトープの調査、タガメが6匹も見つかった。今年は産卵の始まりも早いかも知れない。
2025年5月18日
今年2回目の例会、池の中にはコウホネの黄色い花が目立つ。昨夜の雨で産卵が始まったのか、モリアオガエルの白い綿アメのような卵塊もあちらこちらに見える。タガメの卵もありそうだと、みんな気合いが入る。30分ほど探して、4個の卵塊が見つかった。天気が良かったからかトンボも多く、フタスジサナエ、シオヤトンボ、ニホンカワトンボ、ミヤマカワトンボ、クロスジギンヤンマなどが飛んでいた。
2025年6月15日
鹿に葉を食害され茎だけになったコウホネが目立つ。葉がなくなり、よく見えるようになった卵塊もある。葉にかかっ
て産み付けられた卵塊は、鹿に食われてしまうだろう。今年これまでに産みつけられた卵塊は15個を超えるが、幼
虫は1令が5匹しか見つからない。しかし、今月末には数多くの幼虫を見ることができるだろう。
ミズアオイが芽を出してきた。兵庫県で野生絶滅のトチカガミも増えてきた。ここは絶滅の恐れのある水草類の
避難場所としても機能している。
2025年7月20日
7月20日タガメの里をつくる会の例会、自治会の応援を得て畦部分の草刈りや池中の水草の間引きをした。ひとりの自治会の応援の方の娘さんは、26年前地元の小学校6年生で、タガメビオトープの観察会や紫黒米づくりに参加したそうだ。子どもが3人もいるそうで、時の流れを感じる。今年はビオトープに合計27個の卵塊が産みつけられた。本日草刈り時に集めたふ化殻だけでも10個以上あった。
草刈りのあとはタガメ調査、まだ2卵塊が未ふ化で、オス親が卵塊に覆いかぶさっていた。2匹が羽化して新成虫になっていた。幼虫は5令が58匹、4令が17匹のほか、1~3令もいた。
2025年8月17日
今月31日に、一般の親子が参加する『タガメの新成虫を探そう』というイベントが開かれる。毎年抽選で参加者が決められて
いる。毎年50〜100匹のタガメが見つかるが、当日の内にすべてのタガメにマーキングするのはきつい。そのため、お盆の頃に
例会を開いて、半数ほどのタガメに背番号をつけている。今年は下の池だけで、44匹のタガメ新成虫に背番号をつけた。このほ
かに5令幼虫が11匹網に入った。
新成虫調査の前に、31日の調査がやりやすくなるように、水草を一部刈り取った。このときに死んで浮いているマムシが見つ
かった。これまでにも数匹以上の死体を見ているが、8月後半から9月が多い。この時期はビオトープ内には多数のタガメがいる
ため、ビオトープに入り込んだマムシの多くがタガメに捕食されてしまうのだろう。
ビオトープ内には、保全のために絶滅危惧種のカワバタモロコ(播磨産)を放している。20年ほど放置し、タガメに捕食された個
体も数多くいたと思われるが、毎年繁殖し個体数も減っていない。この日確認のためにモンドリを仕掛けたが、1回で100尾ほどが
モンドリに入った。
2025年8月31日
31日に一般の親子が参加する『タガメの新成虫を探そう』というイベントが開かれ、抽選に当たった70名弱が参加した。タガメの
新成虫81匹、5令幼虫7匹が見つかった。先々週に調べた分なども含めて、今年はこれまでに101匹の新成虫に背番号をつけた
ことになる。タイコウチも50匹以上、ミズカマキリも7匹確認できた。大きなドンコが1尾獲れたが、こんなものを放置すれば虫がい
なくなってしまう。隣の川から入ってきたものなので,川に戻した。当日の特筆は、コガタノゲンゴロウが2匹取れたことだ。27年
間のビオトープ調査で初めて獲れた貴重種だ。温暖化で分布を広げているのだろう。