タガメの飼い方・繁殖のさせ方

1,分けて飼育する
  ともぐいで殺すのがいやだったら、分けて飼育します。特に繁殖期の雌は必ず1匹ずつ飼います。
  雄どうしは比較的ともぐいしないので、一緒に飼育してもかまいません。
  餌を食わない低水温期(15度以下)は、雌雄を一緒に飼育してもかまいません。


2,餌は魚やオタマジャクシ
  野外では、小さめのカエルを主に食べているが、ギンヤンマのヤゴやドジョウ、川魚、カブトエビな ど実際には様々なものをタガメは食べています。
  ペットショップで売っているエサ金が便利だが、ウシガエルのオタマジャクシがいる場所を見つけたら、いくらでもタガメを飼育できます。

3,必ず上れる棒を入れる
  ともぐいの次に多い死亡原因は溺死。満腹のタガメは、うまく泳げないために溺れます。  
  棒が入っていれば、それにつかまって呼吸をすることが出来ます。
  野外でこうらぼしをしているタガメを見たことがあります。体表にカビが生えるのを防ぐためです。
  水槽内でもこうらぼしは必要なので、棒は水面から10cm以上突き出ている必要があります。


4,冬越し
  野外のタガメは、9月中旬から10月末にかけて、水から出て越冬場所へ移動します。これは、水中に居続けて凍ってしまうのを防ぐためです。従って、凍るおそれのない室内では、特に越冬させる必要はありません。
  あえて越冬させるなら、冷蔵庫の野菜室がよいです。しめらせたミズゴケとともに容器に入れて冷蔵庫に納めます。タガメは8度くらいまでなら元気に動くが、5度以下になると、前足をちぢめて動かなくなります。4月半ばに冷蔵庫から出して水槽に入れます。
 

タガメの飼い方

タガメの繁殖のさせ方

1,交尾・産卵
  
5月末から6月にかけて、雌の腹が大きくふくらみ産卵の用意が出来たら、水槽の中に産卵のための棒(直径2〜4cm、水面からcmほど突き出る長さにして、生け花用の剣山などを使って立てます)を2、3本ほど立てて、夕方に雌雄を一緒にします(別々の棒に止まらせます。10時頃まで様子を見て、交尾する気配がなかったら再び雌雄を分けて、数日待ちます。これを繰り返すと、そのうちに交尾産卵します。交尾する気配がない雌雄をそのまま一緒にしておくとともぐいが起こります。


2,産卵後雌を取り除く
  産卵後雌を取り除き、雌は別の容器でエサを十分に食べさせます。こうすると、卵のふ化後数日以内に次の産卵をさせることが出来ます。メスをそのまま一緒に入れておくと、自分の産んだ卵をこわしてしまうことがあります。(詳しくは、タガメはなぜ卵をこわすのかを読んでください)

3,ふ化までの期間
  気温が30度を超えると、5,6日でふ化しますが、5月初めに産まれた卵は20日以上かかります。この間、雄が夜間に水分を与えて卵を育てます。ふ化は早朝が多いですが、22時頃にふ化することもあります。

4,エサの金魚も取り出す
  金魚や川魚は、ふ化して水面に落ちてきた幼虫を食べてしまいます。ふ化が近づいたら、エサの魚は水槽から取りだしてください。2時間ほどたって、幼虫の体が固まれば、食われることはなくなります。

1,1令幼虫はまとめて飼育
  
少し多きめの容器に水を2cmほど入れ、水草を浮かべ、そこに幼虫をまとめて入れます。
  金魚を5〜10尾入れておきます。水は毎日取り替えます。

  1令幼虫はほとんどともぐいしませんが、2令になると少しともぐいするようになります。2,3割数 が減ってもかまわない人は、2令もこの方法で飼育します。

2,1匹ずつ分けて飼育

  2令(3令)になったら、カップなどに1匹ずつ分けて飼育します。溺死で殺してしまうことが多いので、必ず小枝などのつかまるものを入れてください。浮かべるのではありません。成虫と同じ要領です。

3,幼虫期間
  1令期間は2〜3日、2令は3〜4日、3令は4〜6日、4令は6〜10日、5令は13日以上です。

4,羽化
  羽化が近づくと、5令幼虫は体全体が赤っぽくなり、餌を食べなくなります。この状態になると、数日以内に羽化します。野外では、周囲が暗くなって1時間ほどたってから羽化します。
  羽化直後は白っぽい体色で、翌朝までに次第に色が付いてきます。翌朝はまだ体が柔らかで、体が固まるには数日かかります。

タガメのふ化 タガメの羽化1 タガメの羽化2

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幼虫の育て方

宍道湖自然観ゴビウスのホームページのゴビウススタディも参照してください。